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セフレについてたくさん考えてみた

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セフレ(セックスフレンド)について、AV男優の僕がいろいろ考えたことを綴ります。セフレを作ることを推奨するつもりはないけれど、僕自身はセフレの存在に救われてきたなあと思うのです。

セフレについてたくさん考えてみた

今回のコラムはセックスフレンド、俗にいう「セフレ」について。人はなぜセフレを作るのか。本命とセフレの違いは。セフレの意義とは……あくまでAV男優という特殊な職業に就いている僕の見地からの意見なのであしからず。

「セフレ」というのは、僕の大学生時代(90年代)に世の中へと定着していった言葉ですが、主に男性側の口から出てくる種の言葉でした。「セフレがいる」と公言する男性はいれど、同じことを堂々と口にする女性は当時あまり見かけませんでした。

時代とともに世の中は変わっていきます。最近は、セフレとのエピソードをテレビ番組やネット動画の中であっけらかんと語る女性を目にする機会が増えました。90年代当時はまだ「セフレがいる人への嫌悪感」というものが世の中に漂っていたのですが、2010年代になるとそういう風潮がだいぶ薄れてきた気がします。「セフレ」がひとつの性文化として社会に認知されたのかもしれません。

■セックスにまつわる諸問題を解決するセフレ

なぜセフレをつくるのか。シンプルに考えると、満足感あふれるセックスを「外」に求めたからでしょう。恋人とのセックスで充分な満足感を得られるのであればセフレの必要性などないかもしれませんが、「好きな相手とのセックスが一番きもちいい」とは限りません。

セックスには相性というものがあり、「自分が求める至上のセックス」と「相手が求める至上のセックス」は合致しないことが多いです。キスが合わない。前戯が合わない。挿入感が合わない。性癖が合わない。どこかに違和感を感じていると、セックスにおいて100%の満足感を得ることができません。

また、「性欲量の差」問題というのもあります。人間というのは人それぞれ持っている性欲の量が異なります。毎日したいという人もいれば、月に一度だけまったり愛し合いたいという人も。中にはキスやハグは好きだけどセックスは嫌いって人もいます。自分のしたい回数に恋人の性欲量が追いついてないと、積もり積もって不満がたまっていきます。

それらをすべて解決してくれるのがセフレという存在です。セフレとの情事でバランスをとることによって、「恋人との性の不一致」で生じたストレスが緩和されるのです。

■セフレとは気張らない付き合いができる

「恋愛感情の無い相手とのセックスなんて不毛だ」

世の中は僕みたいなだらしのない人間ばかりではないので、こういった意見ももちろん出てくるでしょう。

今回のこのコラムは皆に「セフレを作ること」を推奨するものではありません。人それぞれ恋愛観やセックス観が異なるのもわかっています。性に対して潔癖な人には理解できないコラムとなるので、そういった方はここらで読むのをやめた方がいいでしょう。

セックスフレンドのような「恋愛感情を持たないセックスパートナー」にはいくつかの利点があります。一番大きな利点は、恋人に対して抱きがちな「よく思われたい」や「嫌われたくない」といった気負いを、セフレ相手だとまるっきり捨てて付き合うことができるという点です。

気が張らない付き合い方ができるため、普通の恋愛関係よりも精神的な負担が軽いと言えます。セフレには恋愛感情を持ってないぶん執着心も抱かないため、「最悪、関係が終わってもいいや」と背伸びせず付き合える訳です。恋人は作らずセフレだけ抱えている男性や女性がいますが、こういうのも理由のひとつだと思います。恋愛していると生じてくる「面倒な部分」を敬遠したいという人、けっこうな数います。

仕事や人間関係で疲れているときなんかは「等身大の自分で気楽に遊ぶ」ことが大きな癒しになる場合があります。のびのびと快楽だけに集中できて、爽快感のあるセックスをする。そうすれば抱えていた心や体の疲れもデトックスされて……僕自身はこれに何度助けられたか。

■セフレとは「互いに恋愛感情を抱かない」を守りたい

他には、自己肯定感が高まるという利点も。身も蓋もない話かもしれませんが、「他者とセックス行為が許容される関係性を築くこと」によって、自分の中の自己肯定感が多少なりとも高まるところがありまして。

セフレを作っている女性に対して、同性(セフレを作らない派の女性)が「承認欲求を得るためにセックスをしてはダメ」という意見を提示するのをよく見かけるのですが、完全に余計なお世話かなと。「お互いに恋愛感情を抱いてない」という大前提を守ってさえいれば、セックスによって生じる自己肯定を享受してもいいのでは? 僕はそう思います。

相手のことをすごく好きなのに、向こうサイドからはなんとも思われてない……そういった一方通行の恋愛感情を持った性的関係は、厳密に言うとセックスフレンドとは言えません。“セフレを作らない派の女性”らが危惧していたのはここらへんでしょう。一方通行の恋愛感情を持ったままセックスをすると、その温度差にやられ、心に虚しさが残ります。“虚しさ”が積み重なっていくと“病み”へと転化していく。

僕も過去に何度か経験しましたが、こういう事態に陥ったときは思い切って関係をシャットダウンするのが一番かなと。虚しさが積み重なっていく前に自分の負の感情を察知し、相手の連絡先を携帯から思い切って消去しましょう。しばらくはモヤモヤした気持ちが続きますが、時の流れが必ず感情を風化させてくれます。精神的に対等なパワーバランスの上で成り立たせるのが一番望ましいセフレ関係です。

■セフレとは「対等な関係性」を大事にしたい

「性癖の引き出しを増やせる」のもセフレの利点です。自分が試してみたいプレイを提案したり、逆にパートナー側から提案されたり。恋人には言い出しづらいこと(または趣向が合わず拒否されたこと)を遠慮のいらない関係性であるセフレに提案するのもひとつの手と言えます。

パートナーから提案を受けた場合、余程の抵抗がなければ「まず一回やってみる」精神で、それを一度は試すことをおすすめします。実際、僕自身がまったく興味を持てなかったプレイでも、相手に言われるがままいざ試してみたら、結果すごく興奮できてツボにはまった、というパターンが過去にいくつかありました(相互目隠しプレイや首絞め首絞められプレイなど)。

逆にまったくハマらなかったのもありましたが、そういったものは次から拒否すればいいだけの話です。僕の中での「セフレから提案されて実際やってみたら全然ハマらなかった案件」の第1位は、僕が「ワン」しか発せない犬コロに扮して、擬似犬(僕)と交尾をしたいというヴァーチャル獣姦プレイでした。アラフォーにもなって「ワンワン」鳴きながら腰振るのはさすがに恥ずかしすぎてきつかった。人間を40年もやってると急に犬になんて慣れっこないっす。

先に述べた、対等なパワーバランスであることが大前提なのも、こういうときに重要となってきます。嫌なものは嫌と拒否できる対等な関係性がないと、無理をして相手の要望を聞き入れることになり、いずれ自分の側にだけ精神的なほころびが生じてきます。「好きだから言うことを聞く」。これは長期的な視点でみるとまったくの悪手です。無理はしないに越したことないのです。

■セフレに話を聞いてもらうのは学びになる

「話を聞いてもらえる」のもセフレの利点のひとつです。エピソードトークというのは人に話せば話すほど練られて洗練されていきます。話したときの相手の反応を見ていれば、「この部分は長すぎるから削ろう」とか「オチへの導線をこうした方がウケるかも」といった気づきが得られるんです。

セフレとの会話はトークの良い練習場となります。「途中で言ってた〇〇のとこを最後のオチに持ってきた方がいいんじゃない?」なんて、エピソードトークの構成の提案までしてくれるブレーン的セフレが過去にふたりいました。あれは勉強になったなぁ。

たまに悩み相談なんかも。トラブルを抱えているときは、人にそれを話すことによって解決の糸口がだんだん見えてくることがあります。人に伝える段階で自分の頭の中が整理されていくからです。

セフレから具体的なアドバイスなんぞもらえなくとも、話を聞いてもらうだけで悩みはかなり昇華されます。見栄を張る必要のない関係性なので気楽に弱音を吐ける。互いに恋愛感情を抱いてないので、忌憚のない意見を聞かせてもらえる。特殊な関係性だからこそ、こういった利点があるのです。

「恋人ほど密ではない、適度な距離感のあるセックスパートナー」

セフレを定義しようとすれば、僕はこう述べるでしょう。この距離感が逆に良い効果を生みます。距離感があるから相手に期待しない。期待をしていないから失望もしない。なので喧嘩なども生じず、平和な関係性を保てるわけです。恋人相手だと“感情”が間にあるぶん、こうはいきません。セフレってすごくピースフルな存在だと思います。

■こういう人たちがいました

最後に、過去に実在した変わり種のセフレたちのことを。

・前戯をすると怒り出すセフレ

即挿れ派のコだったため、余計なこと(前戯)しだすと怒られました。良かれと思ってやってるのに……。「舌とか指とか要らないんだよねー。黙って挿れてくれりゃいいから」だそうです。

・会うと必ず霊の話をしてくるセフレ

初めて関係を持った日は「僕に老人の霊が憑りついていること」を教えてくれて、2度目に関係を持ったときは「帰りにエレベーター乗ったら、4階通る時だけ気をつけて! 今日の昼、小学生の女の子の霊をあのエレベーターの中で見たから」とアドバイスしてくれました。次はどんな話が来るのかなと期待していたら、関係が2回で終わってしまい、第3話は聞けずじまいのまま終了。残念。楽しみにしてたのにー。

・先輩男優の彼女(でも僕のセフレ)

多くは語りません。めちゃくちゃな女の子。

・父親(無職)の就職活動状況を会うたび報告してくれるセフレ

若い頃、僕が「コウジ(職業:水道屋)」という設定でやってたmixiで繋がったコ。激しめなスパイラルパーマをかけた20歳のコで、自身も就職活動がうまくいかないと嘆いていた。まずは髪型を改めた方がいいのになと内心思ってたけども、僕の好きな派手髪だったので、そこは黙ってました。

・部屋にボングが14本あるセフレ

彼氏が民放テレビ局のプロデューサーらしく、どうしても彼と結婚したいから中出ししてくれと、トリッキーなお願いをしてくるコ。「どういう理屈なの?」と聞いたら、「子どもできたって言って結婚に持ち込むんだわ。そいつ、いつもいつも最後は外に出すから、いつまで経ってもできやしねえし。我慢汁でできたって話にすっから、中出ししてよ。港区に一軒家持ってんだ、そいつ。ヤバくね?」。僕からしたら、オマエの方がヤバくね?

・僕が出した精子を指ですくって舐めるセフレ

毎度毎度、セックス終わりに精子を指ですくって味見するコ。「なんかそれ、AVの撮影みたいだから、やめてくんないかな」と頼んでも、僕に隠れてコソコソ精子をすくって舐めていた。逆のパターンで考えてほしい。セックス終わりに彼氏が毎度、指ですくって味見する男だったら、嫌じゃない?

・シャワーの設定温度を頑なとして「45度」から変更しないセフレ

セックス終わりに必ずふたりでシャワーを浴びるんだけど、いつも熱湯を浴びるはめに。なぜかシャワーの設定温度を絶対に変えさせてくれない頑固な女の子。

・「陽」のオーラが半端ないセフレ

会話が上手で、会うと必ず元気が出る、「陽」のオーラ溢れる人物。語学堪能で、知識も半端なく、ものすごいアゲマン気質。へこんでた気持ちが会うとパッと晴れる不思議な女の子で、彼女には何度も助けられました。あるとき、後輩男優が体を壊してへこんでる様子だったので、「会ったら元気もらえる人を紹介するから1回セックスしてみなよ。ぜったい気が晴れるから」とふたりを繋げたら、なぜかそのふたりの間で真剣交際が始まっちゃって。僕はフェードアウト。

・イカの刺身セフレ

ものすごく長い期間、関係が続いていた腐れ縁的存在の女の子。関係が終わっても友達付き合いは続いてたんだけど、あるとき「彼氏に裏切られた!」と発狂気味で電話がかかってきて。かなりヤバそうな気配だったから仕事終わりで彼女の家に駆けつけると、手首からヒジまでと、脚の太もも全域にかけてカミソリで切りまくってて、腕から脚から血まみれの状態になってた。並列に一定の間隔で切ってたから「なんかイカの刺身みたいだな」って言ったら、彼女、泣きながら笑ってた。その後、彼女のことを裏切ったらしい彼氏(もちろん初対面)までその場に登場して修羅場に。めずらしく大声出した。

■セフレ→恋人の流れはある

「セフレから彼女に昇格する可能性ってあるのでしょうか?」という質問を女性の方からよくもらうので、ついでにここで答えておきます。答えは「大いにある」です。

これは僕の実体験から導きだした答えです。はじめの内は体の相性だけを求めていた相手だったのに、あるときからトキメキが生じて、彼氏彼女の関係に発展したケースが過去にいくつかありました。不思議なことに、顔がまったくタイプじゃなくとも、そういう展開になったりします。

関係を続ける中でセフレとたくさんの時間を共有していくと、はじめは見えていなかった相手の長所やチャームポイントに遅れて気づくことがあります。だいたいが見た目以外の部分。話してて癒されるとか。発想が面白いとか。まわりの人に優しいとか。仕草が可愛いとか。自分にはない部分を見せられると人は惹かれていきます。

互いに「この人ともっと会う時間を増やしたい」と思うようになれば、彼氏彼女の関係へと自然と発展していくでしょう。好みのタイプの女性と実際に付き合う女性は必ずしも一致しません。僕は「身長が高くて細身で派手な女性」が好みですが、セフレから彼女へと転身した女性たちの中には、背が低くて地味な女性なんかもいました。

彼女とは笑いのツボが100%合致していて、話がすごく噛み合って、一緒にいる時間がものすごく楽しかった。セフレ関係である時点でセックスの相性は抜群。好みのタイプじゃなくとも、僕にとってはすごく良い彼女でした。

セフレを作る人間はふしだらなのか。セフレを作る人間は人を本当に愛することができないのか。セフレを作る人間は一生、本物の愛がわからないのか。よく耳にする議題ですが、ちゃらんぽらんな僕には難しいことはわかりません。でも、僕はこう思います。決めるのは他人じゃなく、自分だと。

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黒田 悠斗

AV男優。1975年生まれ。大学を卒業後、つても何もなかったAV業界になんとか潜り込み、20年間一線で生き残り続ける。1999年にデビュー。男優業の他に監督業や執筆業なども。マッチョ系の見た目に反し、中身は文系人間。Webコ...

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